
すでに何度も記しているように私の仕事はやる気を引き出すことに尽きる。実際に学習するのは生徒諸君であり、教師が教えたつもりになったとしても、表面的な短期記憶を賑わすだけで賞味期限は短い。
食べ物の譬えを続けるのなら、うまい料理を提供するのではなく、その料理の作り方を教えなくてはならない。自分で再現できなれば学習の効果は十分とは言えないのだ。料理をすることの楽しさを教え、上手にできたときの達成感を自覚させる。これがもっとも大事な任務なのであろう。
言うは易し。実際に現場に立ってみると料理を提供することは簡単だが、厨房の外にいる生徒を呼び寄せ、いかに調理が楽しいかを伝えるのは難しい。面倒なことをせずに自分が結果を提供し、それを覚えされる方が楽だ。しかし、くりかえすが大切なのは提供された料理ではない。その料理を作る能力だ。
私はやる気を引き出す方法をいろいろ考えている。テクニックはいろいろあるが、その根本は学ぶことの面白さと真剣にまた謙虚になることの快感を教えることなのだと考えている。自ら学び、その思いが純粋であるほど効率的に学習ができる。それを教えることが私の仕事と心得ている。
