
10月16日、琵琶湖東岸を走る近江鉄道が1日運賃を無料にすると発表して話題になっている。他聞に漏れず赤字経営の地方鉄道である。まさに出血覚悟のサービスであるが、目的は乗車体験者を一人でも増やすことにあるらしい。
地方で生活をするとすぐにわかるが、鉄道はあるとありがたいがめったに乗らない。車があるので駅までわざわざ行くのは面倒であり、一時間に数本しかない便を待つことができないのだ。乗らないから経営は苦しくなり、さらに便数が減る。悪循環である。独自経営ができずに第三セクターとなって命脈をようやく保っている路線が大半だ。
1日無料とは大胆だが、損して得取れの商人の心意気が感じられる。とにかく、鉄道の存在の知名度を上げ、乗車経験から客に戻ってきてほしいということなのだろう。継続的な効果があるか否かはなかなか実証的できないが、やる意味はある。
鉄道やバスは路線を新設するのは非常にたくさんの手続きがいる。失ってしまうと取り戻すのはかなり難しい。維持するのにも莫大な資金がいる。あまり効率的な商売ではないのかもしれない。ただ、地域の利便性を確保することは計り知れない利益がある。交通会社のみに任せず、受益者が様々な形で支援ができる方法を考えなくてはならない。銚子鉄道のように鉄道業務以外で収益を狙う方法もある。大都市圏ではなく、しかも観光資源に乏しい地域の鉄道は苦しい。しかし、廃線になると多大なる不利益が出るという鉄道はいくつもある。
それぞれの鉄道がどのように生き残るのかを考えることはこれからの日本の在り方を考えるうえで非常に参考になる。また、我々は部外者ではなくあくまでステークホルダーとして参加すべきなのだ。

車に興味がない、乗らない、若者は増えてきたらしいですが、地方は別なのですね