
身の回りにある衣料、電化製品などの多くは中国や東南アジアなどの工場で生産されていることは周知のとおりだ。かつては1ドルが75円くらいまで上がったために国内で製造しても採算が取れないというので海外に生産拠点を移したからだ。
結果的にこの方法は国内のサプライチェーンを弱体化した。さらに様々な技術が海外に流出し、いまでは日本製以上の性能の製品が作られているものも多い。利益重視で動いてきた各企業と、それを監督できなかった政府や関係機関の失敗である。
コロナウイルス流行で貿易不可能もしくは制限がされる状況となり、ウクライナの戦争で原料確保が難しい状況が生まれ、さらには歴史的な円安が進行する中で、改めて国内生産の意味が問い直されている。日本で作っても利益が上げられるかもしれないと考える企業が増えたようだ。
エネルギー資源がない我が国にとって、円安の影響は大きい。単に日本で作ればよいということにはならない。ただ、生産拠点を日本に戻せばそれに関係する雇用は生まれる。農業資源なども国産に切り替える方法で新しい可能性が生まれるかもしれない。環境汚染などの問題にも直面することになるが、昭和のような惨状は再現されないはずだ。ものづくりの在り方が変わるかもしれない。
おそらく、大量生産大量消費の方法ではなく、高品質長期使用、修理による継続使用のビジネスモデルが日本には向いている。ある程度、国内で循環させていけば為替相場のよくないときはそれで対応できるのではないか。さらに、かつての日本がそうであったように独自の進化がなされていけばかえって世界的に評価されるものもできるかもしれない。
