萩は秋を代表する花

 『万葉集』でもっとも多く詠み込まれている植物は桜ではない。桜は5番目であり、4番目は橘、3番目は松、2番目は梅、そして一番多いのは萩なのだ。もっとも万葉仮名では「芽子」などと表記され、これをハギと読むことにしている。

 ちなみに日本では「萩」といえば写真のようなマメ科の植物を指すが、本来古代中国の「萩」はヨモギ科の植物を指すらしい。秋の植物といえばハギということで「萩」がハギと読まれるようになったのだろう。その意味で「国字」として使われているということになる。

 萩が多く詠まれたのはこの植物がかなり古くから日本列島に自生していたことに加え、何らかの信仰的な要素があったからかもしれない。実りの秋に豊富な花をつけるこの植物に何らかの意味を感じたのかもしれない。やせた土地でも繁茂することに生命力を感じたのも知れない。

 このように秋の植物の主人公であった萩だが、若い人に道端に咲くこの花を指さし、その名を訪ねても答えられる人は少ない。文化の基本は自然との関係である。もっと関心を持ってもらってもいいのではないか。

 

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