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少し前のことであるが絵本画家の展覧会を見に行ったことがある。会場には多くの絵本の原画が飾られていたが、その周りにダンボールに描かれた動物や植物が立てられていた。演劇の書き割りのように縁取りが切り取られていたのだ。
梱包の際に使い捨てられるダンボールが芸術の対象として大切に扱われていることにちょっとした驚きを感じた。学校の文化祭などでもこの手法はよくとられるが、プロの手にかかるととても使い捨て出来るようなものではなくなる。
もちろん、耐久性という点においてダンボールの絵、もしくはオブジェは期待できない。すぐに滅びてしまうものだ。ただ、生活の中の芸術としてこういう気楽なデザインなり、美意識は見直されていいと思う。数万円から数十万円の彫刻を買うのは覚悟がいるが、ダンボールでかたどる動物なり植物なり、幾何学オブジェならば気楽に置ける。安っぽくならないよう、気持ちを込めて作ればそれなりに精神的な栄養剤になる。
いわゆるダンボールアートと呼ばれるものになるととても素人の及ぶ域ではなくなる。まずは気に入った絵や写真を切り抜いて貼り、それを立体として置くということから始めてみたいと思っている。