
考古学資料のなかに魅力的な芸術を感じることがある。恐らく作られたときは獲物を狩るか、神に祈るかといった実用的な目的を持っていたはずのものだ。それが例えば展示ケースに並べられると美術品に見えてくる。
今わたしたちが何気なく使って、意識することなく捨てているのものの中にもそうした美は隠されているに違いない。あまりに日常的だと気がつかなくなる。だからものを粗末に使うようになっていく。
生活の中に美を見つけるにはときにいつもと違うやり方をするのがいいのかもしれない。見方を変えることによって日々の積み重ねの中に消えてしまった美しさを発見できるはずだ。そういう余裕だけは持っていたい。