日本のパソコンメーカーがほとんど壊滅状態であることは素人でもわかります。日本独自の企画で作られているコンピューターはほとんど皆無といってもいい現状です。低価格のパソコンは特別な設備もいらないようで完全にコモディティが進んでいる分野です。
ただ、今後ぜひ頑張ってほしいのが教育用の分野の国産パソコンのハード・ソフトの国産化です。生徒がつかっても壊れにくく、修理がしやすく、さらに低価格なパソコンと、日本の教育にあった教育ソフトの開発は至急行っていただきたい課題です。
教学用のパソコンといえばChromebookがあります。安価で管理もしやすい学校用のPCとして日本でも次第に広まりつつあります。ただ、このPCはアメリカ発のものらしい側面が随所に見られます。日本の教育場面にあった工夫がもっと取り込まれなくてはそのままでは使いにくい。日本の縦書きやルビなどの特殊な書式にも対応できていません。
コンピューターを使うことが言語技術に大きく関係している以上、日本語の言語環境と親和性が低いパソコンを使うことは、根幹から言語の優位性を下げてしまうことにもつながります。これはWindowsでもiOSでも同じであり、日本語にあったパソコンを作ることにはもっと関心を持っていいのではないでしょうか。いままでは外国産のコンピューターを模倣して作り、それに合わせた操作性に自分が慣れていくという方法でしたが、次の段階があってもいい。日本語の環境にあったかたちのコンピューターを日本語話者が造る時代にはいったのではないでしょうか。
教育現場でつかわれるパソコンは日本語にあったものであるべきだというのが私の持論です。それならば日本のメーカーが参加するチャンスはある。というより日本のメーカーに活躍してもらわなくてはこの国の知的生活の未来は怪しくなるといえるのではないでしょうか。
