何番以内、平均点以上、そんなことより別の目標を考えようよ。それが今の私の口癖です。
生徒諸君の関心事は順位や偏差値ばかりです。これは他人との比較です。他人と比べるだけでは自分の努力はなかなか報われないように見えます。周りの人たちも頑張っているときには相対的な位置は簡単には向上しないし、場合によっては下がってしまうこともある。努力は報われないように見えます。
果たしてそうなのでしょうか。明らかに前回より頑張ったはずなのに成績が出ない。やっても無駄なんだと短絡する前に他人との比較ということの意味のなさに気づくべきなのです。比較する必要があるとしたら、それは過去の自分と現状との比較であり、努力の量が増えているならばそれは立派な向上と言えるのです。
結果はすぐには出ないこともある。出るのが相当後になることもある。ただいつかは何らかの成果が出る。その出方が人によって違うのです。遺伝的には私たちは実に不平等な環境にあると聞きます。違う車に乗っているのに速さだけ競っても意味はない。むしろどれだけ前に進もうとしたかを自己評価するべきなのです。
そのためにはやはり横を見るのではなく、前を見ることが大事なのでしょう。目指したい目標は何か。どのような人生を送りたいのかをそのつど考えていく必要があります。進んでいくうちに目標が少しずつ変わっていくのは仕方がない。そのつど何かに狙いを定めて取り組んでいくことに意味があるのです。