このところ寒さが戻り凍えていた。しばらく廃していたマフラーをつけ直してみると実に快適だ。こうして寒さをしのいでいたのだと思い出した。
もうこれまで何度も書いてきたが、私たちの感性というものは決して絶対的なものではない。常に何らかとの比較をもとに形成され、何を比較の対象とするかで大きく印象が変わるのである。このところの冷え込みが厳しく感じるのは、途中にかなり暖かい日々を挟んだからだろう。もし厳冬の日々を重ねていたら、ここ数日の陽気に春の訪れを感じたかも知れない。現象と印象は別物なのである。
感覚を相対的に感じることができるのは、人間のような知性を獲得した者の特権なのかもしれない。過去の記憶を基準に現在の感覚を調整するのは人間ならではの認知のあり方なのだろうと考えるのである。
マフラーを巻くことは間もなく終わるであろう。でもその温もりを、快適さを覚えておかなくてはならない。
