ロシアのウクライナ侵攻は就任すればすぐに終結させると豪語していたトランプ大統領の言葉を記憶しているだろうか。ノーベル平和賞候補を自認していた(それに乗った某国の首相もいた)が、どうも実際は逆を進んでいる。イラン攻撃も即日解決と言っていたようだが、それが週単位となり、ついには言及しなくなった。首脳殺害はイスラエルのしたことと述べ、原油価格高騰の気配に後手を打つ。私の知る限り、絵に描いたような失敗続きだ。関税政策についても自国の裁判所に否定されても開き直るばかりだ。アメリカ国民は彼をどのように見ているのだろう。
現在のアメリカの政権を見るに民主主義の限界なのかと落胆してしまう。個人の欲望の暴走を防ぐための制度であったはずなのに、それが効かない。イスラエルのネタニヤフ氏も選挙前のパフォーマンスをしているという報道がある。国民のためではなく、自政権の維持のために国民の目を海外の敵に向けさせるのは歴史上何度も繰り返されてきた。戦中の日本もまた敵国を鬼畜と見なすことで国民の戦意を創出していたという。こういうことを見抜く力を世界は学んできたのではないか。実際にはそんなに簡単ではないようだ。
私は対岸の火事ではないと考えている。外交に関してはすでに平和外交路線を維持するしかない状況にあるのだから、重武装独立などという非現実的な論法をかざして一時的な支持を得る輩には気をつけなくてはならない。地政学的にも政治史的にも今の日本は国際協調の中心にいなくてはならない。今回、アメリカの同盟国でありながら、イランにも友好関係を維持してきた我が国の振る舞いが今後の国際情勢には極めて重要な役割を果たす。果たさなくてはならない。そういう立ち回りができるのか。それが日本のリーダーに求められている資質である。
