百年構想リーグの偏り

 Jリーグは来季から秋冬制になる。この移行期間に百年構想リーグが開催されるが、J1リーグの組み分けが発表された。東西に分かれることになったが、その東地区はことごとく関東地方だ東京都が3クラブ、神奈川と茨城と千葉が2クラブ、それに埼玉が1クラブだ。西地区は東海、関西、中国、九州と幅広い。

 日本の人口の34%は関東地方の住民だ。日本人の3人に1人は関東地方のどこかに住んでいるということである。どの国にも人口集中はある。アメリカ合衆国では39%の人が南部諸州に住んでいる。韓国ではソウルや仁川などのいわゆる首都圏の人口が50%近く、極端な人口集中が見られる。だからJ1リーグのうち半分が関東地方であっても無理はないのだが、北海道や東北、北陸のクラブがないのは残念であり、長期的視点ではこの興行のためにはよろしくない。

 プロスポーツが成功するためには地域の発展や、スポンサー企業の存在が欠かせない。都市部はそれが集っているが、地方は少ない。でもスポーツクラブはそういう現実を忘れさせるような夢を売る存在であるはずだ。百年構想の中には地域振興という柱がある。大企業がなくても地方のクラブが東京のクラブを倒す、そんな醍醐味を見せてくれるのが理想だ。

 隙間を埋めるリーグの開催が地方都市の存在意義を考えるきっかけになればいいと思う。

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