天皇杯優勝

 FC町田ゼルビアが天皇杯で優勝したという。私が応援を始めた頃はJFLに昇格したばかりで、観客もまばら選手のほとんどはプロ契約しておらず、少年サッカーのコーチなどを兼任していた。リーグでは佐川急便や武蔵野といったアマチュア界の名門に勝つことができず、ついに優勝できなかったのである。

 J2に昇格できたと思ったら全く勝てずJFLに逆戻りして、その後始まったJ3で何とかプロクラブ扱いになった。町田の地元サポーターが少しずつ増えてくると勝てるようになっていき、J2時代の晩期にサイバーエージェント社がスポンサーになってからは選手補強が可能になって、黒田監督の抜擢もあって勝てるようになった。戦略に関してはいろいろな批判があったが、多くは既存のクラブが新入りに出し抜かれたことへの焦燥の表現だった。批判していたチームが今シーズンは同じことをやっているのだから。

 優勝はめでたいが、何か過去のクラブを知るものとしては別のチームが戦っているように思えてしまう。プロである限り仕方がないことであり、その前提を受け入れなくてはならないことは自明なのだが。かつてはそれ何と言われたクラブが説明なしに認知されるようになったことを素直に喜ぶべきなのだろう。

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