人工知能は自分か他人か

 人工知能の日進月歩の発展の末、私たちは自分の脳と人工知能の連携を模索するかもしれないという。具体的には自分が思いついたことを人工知能に考えさせ、そのフィードバックをそのまま自分の考えとするというのものだ。何か疑問が浮かんだとき、人間は自分の脳と直結する人工知能を呼び出し結論を模索させる。結果はすぐさま自分の脳に戻されるから、あたかも自分が考えたこととして処理されるのである。

 人工知能のキットが小型化し、動力の問題も解決されたとしたら、それを体内に埋め込む時代が来るのかもしれない。するともはや人工知能が自分なのかどうか分からなくなる。人工知能の判断はその人のものということになる。

 ハルシネーションがどこまで解決されていくのかは分からない。仮に体内に埋め込まれた人工知能の指示に従って行動したことで大きな損害が発生してしまった場合、その責任は誤った情報を提供した人工知能にあるのだろうか。その指示を鵜呑みにした使用者本人にあるのだろうか。

 逆に人工知能の誘導のおかげで莫大な利益が出たとき、その開発者は分け前をもらう権利はあるのだろうか。あるいはそういう条件をつけて販売することは可能なのだろうか。

 アイデンティティと深く関係する脳の働きであるからこそ、その補助機能にも個の問題が付き纏うのである。

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