近隣に印象的な花を庭に植えていた人がいた。調べてみたらダチュラというのだそうだ。チョウセンアサガオともいう。この異名はかなり興味深く、チョウセンといっても朝鮮とは無関係で、アサガオとは異なるナス科の植物である。植物には罪はない。迷惑な名前をつけられたものだ。
ダチュラはインドが原産と考えられ、高い気温に適応している。日本には江戸時代に薬草としてもたらされたようだ。次第に観賞用となり、品種改良もなされるようになった。庭に植える人もいるわけだ。
もともと生命力が強い花らしく、先にあげた近隣の庭にはすでにこの花がないが、道路脇のわずかなアスファルトの裂け目にこぼれ咲きしている。迫力ある花なので誰も雑草扱いしないのだろう。
ところがこの植物には毒性があり、摂取量によっては死に至る。根がゴボウに似ているとか、ナスの接木として利用するとかがよくないようだ。美しいものには毒がある。
花が初めは上に向いているのに、次第に下垂するのも面白い。大きすぎる花に進化したのはなぜなのだろう。いろいろ考えさせられる。