
子どもの頃はプールに行った。実は入学した小学校にはプールがなく、水泳は親や親戚に連れられて行ったが泳ぎ方は分からず水浴びの域を出なかった。
ところが転校した先の学校は水泳が盛んで泳げる距離や種目によって級が設定されており、その取得状況はキャップに付けるリボンの数で可視化されていた。小学二年生にして一等兵のみならず、上等兵や兵長クラスの同級生もいる中で私は無印であった。例えがよくないが当時の私の水泳の時間の緊張感には相応しい。
そんな金づちを担任の先生には粘り強く指導していただいた。少しだが泳げるようになり、夏の終わりには1本線が増えたことを覚えている。私の今を作ってくださった恩師である。
プールにはしばらく行っていない。いまも泳げるだろうか。少し心配だがいつか試してみたい気もする。