1970年の大阪万博には連れて行ってもらえなかった。当時の親の収入では家族を大阪まで連れて行く余裕はなかったのだろう。でも、父は仕事で出張したついでに行ったらしく、お土産としてソ連館のメダルをくれた。ソ連が当時は敵対する国としての印象が強かったことから、もらってもあまり嬉しくなかった。
いま行われている関西大阪万博にはかなり関心はあるが、訪問は躊躇している。その一つが経済的な要因にあることは確かだ。この歳になってそんなことを言っているのだから、親のことを悪くは言えない。
もし行けたとしたら、何を土産にするのだろう。キャラクターグッズよりは、その時にしか得られない何かを求めた方が価値がある。いつでもどこでも買えるのもよりはその時、その場所でしか手に入らないものの方が価値がある。
ソ連館のメダルを買って来た父はその意味で素晴らしい土産をもたらしたのだった。残念ながらどこかに埋もれてすぐには見つけられないのだが。