最近、選挙をビジネスチャンスとして考え、利益を得ている人たちがいる。選挙制度の見直しが検討されているが、本来こうしたことは起きてはいけなかった。
選挙で選ばれるべき人は社会的常識を備え、利他的行動ができると仮定されていた。しかし、どうもこれは甘い想定であったようだ。候補者としてもっともらしいことを述べ、自らの正義を縷々述べるのに、実は本当の目的は立候補することによって得られる利益である。これが公費から支給されているのだから、有権者としては意義を申し立てるしかない。
問題なのは真っ当な政治家であっても、現行の制度下では一定の利益を得られる仕組みにあることかもしれない。日本の国会議員の報酬は海外と比べて高額であり、さまざまな補助金もある。選挙がビジネスであるのだけではなく、当選した末に得られる利益も莫大なものがあるのだ。
そろそろ私たちは、ビジネスとして税金を横領し、民主主義の根幹を揺るがす行いをする似非政治家と訣別しなくてはならない。既成政党の不甲斐なさはそれとして、だからといってその隙間に漬け込む政治家ライクな実業家諸兄には別の仕事を探していただかなければならないだろう。
彼らの撒く毒は少しずつ民主主義を破壊していく。そのことをもっと取り上げてほしい。