自分パビリオン

 自分を表現するパビリオンを造るとしたらどうなるだろうか。予算や工期などは考えないことにしたい。つまり、自分を形として示すにはどうすればいいのかということだ。

 こんな変なことを考えることがたまにある。それほど自分というものが分かっておらず、答が見つからないということなのだ。きれいな建物を建てれば美化しすぎていると思うし、散らかった部屋を再現しても、それは私の一面ではあるがそれだけでもない。醜い面は確かに多い。でも、僅かだが誇れることもないではない。

 自分を表す展示物は何だろう。毎日持ち歩いている文房具や眼鏡の類、このブログを書くときに使っているスマートフォン、くたびれた服や靴、それらは私を表せるだろうか。

 これまで読んだ本、観た舞台や映画のタイトル、それを一覧すれば私が分かってもらえるだろうか。何がどれも物足りないし、違っている気さえする。自分を形で表現するのは思ったより難しい。

 それならいっそ私自身がパビリオンに立ってこれが私ですと連呼したらどうだろうか。自己紹介なら私そのもののはずだ。でも、これもどこか胡散臭い。なぜだろう。

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