アメリカの最近の政策を見るに強者の論理がまかり通っているように思えてならない。アメリカが世界の中で政治的経済的に抜群の位置にあるのは周知のとおりである。しかし、昨今の情勢をみるにその威力にはかなり陰りが見えている。それを知るアメリカの上層部は必至で対面を保とうとしている。それでも止まらないのは強者の理論である。
強いものは弱いものを統治すべきであるという基本的な論理はアメリカの歴史そのものである。アメリカ国内でそれが伝説となるのはよいが、それを他国にも無理に当てはめると様々な問題が生じる。結局は価値観の押し付けだ。相手が中国のときはそうした声が出やすいのだが、アメリカになると黙してしまう人が多い。
例えばアラブ地域の歴史をみるに、古代から他地域の干渉を受け、そのたびに歪みが生じている。ローマが衰退すると中世のヨーロッパ諸国が介入し、モンゴル帝国の影響も受け、近代になると英仏に支配される。冷戦注文も、東西の影響を受け続け、その後アメリカがイスラエル支援や対イラクなどで関与した。
ヨーロッパに近く、民族や宗教は違う。なおかつ、統一的な権力を持ち得なかった地域の運命と言えばそれまでだ。しかし、それを他の地域の大国が自分の利益のために恣にしてきたことは間違いない。
その大国がいまはアメリカである。自国の利益を最優先し、自らの利権のために振る舞うことが正義のように自認する大国が、自らの論理を振りかざす現実に強い危惧を禁じ得ない。同盟国であっても意見すべきときはするべきではないか。
