何とか切り抜ける力

 効率よく最短距離でが推奨されるご時世だが、どうも私には親和性がない。失敗を繰り返し、たまたまうまくいって何とか切り抜けるというスタイルの方が私にとってはやりやすい。

 こういう考え方は効率性への逆行と考えられがちだが、果たしてそうなのか。あるいは寄り道の上、出口を見つけた経験こそが大切なのではないか。何もかも上手くいかない状況の中で、必死に出口を模索できたことが何よりも貴重な出来事だったのではないか。

 物事を効率的に行うことに関して人工知能に勝つ見込みは少ない。かのシステムは過去のデータベースを引用して、今日の問題に提言をしてくるのだから、そうそう勝ち目は無さそうだ。

 ただ、不確実で法則性が見いだしにくい状況の中で何とか答えを見つけ出すのは人間の得意分野である。状況に対応してその場で解決策を見出すのは進化の過程で、獲得したスキルでである。これを大切にしなくてはならない。失敗することは避けられない。それでも続け、やり通すのは人間に残された最後の最強の能力なのであろう。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください