日本語の文法構造上、文末の形が固定化しやすい。です、ますを使えばほとんどが「す」音で終わるし、過去が絡むと「た」音が並ぶことになる。それを単調と考えるのか、押韻のような美しさと考えるのかは感性の違いだ。
私自身は何も考えていないつもりだったが、これまで書いてきた文章を見ると、文末の音の繰り返しを避けている。繰り返しがいけないわけではない。ただ、変化をつけると文が書きやすい気がするのだ。ほとんど気のせいである。
日本語の文章は音韻的な単純さと引き換えに、表現方法、表記方法などが他言語と比較して可能性が高い。複雑なニュアンスも表しやすいのではないか。文章を書きながら、その可能性をもっと活用してもいいと考えている。