明治のあり方

 明治時代の人たちはさぞ大変だったと思う。維新後に様々な価値観が激変し、昨日までの正義が突然邪道となり、またその反対もよくあった。排斥していた西洋文化が規範となり、模倣の対象となる一方で、東洋的な価値観は後進的とみなされた。

 それでもやはりいざとなると儒教的な価値観が支えとなっていたようであるし、漢文の素養が精神的な基盤にもなっていた。毀誉褒貶が状況ごとに変わり、その都度うまく立ち回ることが求められた。それが明治のあり方だったのかもしれない。

 渋沢栄一の「論語と算盤」を読むとその立ち回りの大切さを感じる。精神論と功利主義のバランスをいかに取るのかが大事だった。ただ結果として、明治は国益を重視したあまり戦争へと邁進する。

 現代の我々も価値観が急激に移り変わる時代にあり、さらに科学技術の発展により心身ともに振り回されている。毎日振り回されているから、それほど感じないが、おそらく俯瞰すれば翻弄されている己が見えるはずだ。その意味で明治の人々の生き様から学ぶことは多い。

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