変わり続ける日本

 日本以前の日本というと自己撞着を起こしているようだが、研究者のなかには中世以前の日本と現在の日本ではかなり様態が違ったという人がいる。考古学的には平安時代くらいまでは現在の日本人とは形質的にことなる人が周辺地域にはかなり残っていたというし、文化的側面も時代によって異なることが多い。

 古事記の神話の中には大王族が支配する前の先住民族と思われる人の姿が述べられる。国栖とか土蜘蛛と呼ばれる異民族はまるで妖怪のような描写がなされているが、自民族との見た目の違いを誇張して表現したものと思われる。こうした異民族は平安時代ごろまでは少数であるが残っていたと考えられている。鄙には本当に異民族がいたのだ。

 和風といえばすぐに思い浮かぶのは和服であるが、平安時代くらいまでは今の服装とはずいぶん異なる。また一日三食の習慣、お茶を飲むこと、畳の上での生活なども平安時代には一般的ではない。私たちが考える日本風のほとんどがそのまま通用しないことになる。

 王朝交代がない日本の歴史を一つの流れとして考えることは間違っていない。ただ、その中身は時代によって大きく変化している。日本の文化は地政学的も歴史的にも周辺の状況に影響され、その一部を常に取り入れ、さらにそれを独自に融合して変わり続けている。だから時間が経過するごとに全く違う形になってしまうのが特徴なのだろう。日本式はこれですというスタティックなものはおそらくなく、常に変化を続けその都度融合しなおすというのが日本の特徴というべきなのだろう。

Before the establishment of the current Japan, significant differences existed in pre-medieval Japan. Archaeologically, pre-Heian period Japanese individuals exhibited distinct traits from modern Japanese, with varying cultural aspects. The mythical Kojiki references indigenous people predating royal rule, highlighting differences in appearance and customs. Traditional Japanese elements such as clothing, diet, and lifestyle significantly differed in the Heian period. Japan’s culture continuously evolves by integrating influences and undergoing unique transformations over time. This continual fusion and adaptation define Japan’s dynamic nature.

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