似ている似ていない

 誰かに似ていると言われることが時々ある。最近は減ったが、芸能人に似ているとも言われた。残念ながら二の線ではない。言われて必ずしも嬉しくはない類のものだ。顔の類形というのは怪しいもので、人によっても年齢によってもかなり異なる。どう見ても似てない人をそっくりだという人がいる。逆に私にとっては瓜二つだと思うのに同意が得られないこともある。

 似ているかどうかの判定基準が人によって違うということだ。物差しになるものが違う。輪郭と背丈が同じなら同一人物としてしまう人がいる。髪型とか眼鏡の一致で区別する人もいれば、ほとんど見分けのつかない姉妹を見分けられる人もいる。似ているいないはその判断に個人差が大きい。

 私自身も出会う人をかなり単純化して認識している気がする。どこかであったことがあるなどと勝手に考える。曖昧な人物認識の中で日常生活は成り立っていることになる。

 スマートグラスなどができて人物の認識が厳密になされるようになったら私たちの生活はどんなふうに変わるのだろうか。曖昧な方がいい気がする。

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