被爆二世の方の話を伺う機会があった。その方の話によれば、自分たちの置かれた立場では平和について訴えるのは難しかった時期があったという。それはかなり心を揺さぶられる問題であった。
肉親に被爆者がいるということは絶対に知られてはならない。そのように家族の中で云い伝えられてきたという。原爆症があたかも伝染する病魔のごとく捉えられ、差別されることをおそれたというのだ。事実、その方もそのことが原因でいじめを受けたことがあるという。だから、平和を語るといったことも控えめになり、その話題に立ち入らなくなっていったのだという。自分の立場を知られずに過ごすために、平和を語るのはかなり勇気が必要だったという。
このことは書物などで読んだことがあったが、実際に該当者から直接お話を伺うとかなり衝撃が異なる。戦争は戦後も人々の心におかしな状態を作り続けてしまう。残念だがそれが事実なのだ。
