非現実的現実

 私たちが生きている世界は限りなく偶然の積み重ねでカオスなもののはずだ。同じことは二度と起きない。同じものには二度とめぐりあえない。それなのに、この現実を巧みに忘れる方法を知っている。

 二度とない現実をあたかも繰り返しのように考えることができるのは、一つの叡智である。尖っている詳細を削り落として、別のものを同じものとしてしまう。それを無意識で行えるのは進化の過程で獲得した生きるための戦略なのだろう。

 適度な鈍さは大事だ。あまりにも先鋭化すると不自由でたまらなくなる。いい加減は無責任ではなく、変化の多い毎日を生きるためのスキルなのだろう。

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