報復

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 ウクライナの戦争の状況は刻々と伝えられている。ただ、真実の姿は現地に行ってみないとわからない。現地でも分からないかもしれない。なぜこんなにも長期化しているのだろう。

 かつてロシアといえば冷戦時代の双璧の一つであり、大量の核兵器保有、莫大な天然資源を保有する国として圧倒的な強さがあると感じていた。共産党政権が崩壊すると、ソビエトを形成していたさまざまな国が分離し、その一つにウクライナもあった。分離した国の中にはロシア民族から文化的に遠いと思われる国家もあるが、ウクライナはその中ではロシア民族に近いと勝手に考えていた。

 黒海をめぐる紛争はかなり古くからあり、ロシアの不凍港獲得のための歴史の一つとして学生のころから教えられてきた。特にクリミア半島をめぐる紛争は現代の大問題であり、実効支配するロシアに対してウクライナは国際世論のもとで戦っている。今回の大橋の爆破事件はその象徴であるといえる。

 橋の破壊に対してロシア側は報復の爆撃を行ったという。報復とはなんだろう。何に対しての報復なのかすでに分からなくなっている。爆弾を投下する、ミサイルを撃つ口実として使われているのに過ぎない。ウクライナがここまで持ちこたえているのも長い抗戦の歴史があり、負けない方法を身に着けているからだろう。EUなどからの支援も取り付けている。その意味ではもはや地域紛争ではなく、世界大戦の代理戦をしている趣さえある。

 この戦争が世界の人々に多大なる影響を及ぼしていることは事実だ。穀倉地帯の供給をとめ、天然資源の確保が難しくなっている。それが直接、間接に世界経済を悪化させてきている。コロナのパンデミックの余波で様々な問題が発生している中で、さらなる悪影響を及ぼしていると言える。もっと深刻なのが人々の平和の理想をくじくことだ。結局戦うしかないと考え始める人が増えれば未来には絶望しかない。

 報復などしている時ではない。この争いを早く終わらせる叡智を世界は求めている。

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