
歴史上の人物の印象はある程度固定化されている。この人はこういう人物だというラベリングがなされている。その方が理解しやすいからだろう。真実とは違っていても。
人生は多様で複雑であり、とても一言では言い表せない。でも複雑なものをそのまま把握することは難しいので、どうしても角を取る作業がいることになる。取られた部分は決して不要なものではない。あくまで単純化の過程で切り落とされるものなのだ。
彼はこういう人物だったというとき、それはごく一部の側面を捉え拡大して述べているのだ。もし自分の獲得した人物評を熟慮する時間と能力とがあれば、思い込みに過ぎないのだと気づくはずなのだ。
歴史上の人物だけではない。周囲の人への人物像もまた、多分に思い込みの産物であることをときに思いださなくてはならない。
