新しい社会

 政府が推進するSociety5.0という未来構想はビッグデータとAI技術を駆使して、仮想空間と現実空間をリンクさせるという構想だ。科学技術で未来を豊かにするという考え方自体は近代科学至上主義の延長上にある。経済的な発展と環境問題や精神的な満足感との調和はそう簡単にはいかないとは思うが、この構想はあくまで理想を語っている。

 総務省のサイトで公開している動画を見るとわかるが、登場する人物の大半は日本人であり、写り込んでいる未来の製品の多くは日本企業の製品である。この点においてすでに現実離れをしている。私達はアメリカや中国や韓国、その他の国のICT機器を使い、ネットワークも外国のものである。日本の製品は部品レベルとなっているのが現状だ。果たしてAIが日本人向けのサービスを展開してくれるだろうか。

 グローバリゼーションの流れを止めることはできないのは事実だ。Society5.0はおそらく非日本社会になることなのだろう。日本人が自分の国のことを自分で決められない社会になるのかもしれない。そして、これは日本だけの問題ではなくなっていく。総務省のキャッチフレーズは人間中心の社会であるが、ここでいう人間が何を何を指すのか、誰のことなのかは再考しなくてはならないようだ。


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