植物にちなむ日本人の人名は多い。特に女性の名前には多いと考える。名字だけでも「木」「草」「花」「藤」「桂」などが使われるし、名前の方には「菜」や「葉」「葵」「百合」などの漢字が使われ、「みのり」「もえ」などの関連語がつかわれることも多い。植物はこの国の人にとって自分の名としてもいい程の身近なものなのだろう。
植物の豊富さもこの国の特徴だ。四季折々に花開く植物が生活に潤いを与えてくれる。だから、生活の一部に花の暦が取り込まれていることにもなる。自然に生える植物にも園芸の品種にも私たちは囲まれている。
時に都会を離れると当たり前のことを思い出すことがある。逆に言えば私の日常は極めて不自然で窮屈なものであるということになる。10数インチの画面に映し出される情報が世界のすべてであるかのように考えてしまっているが、実はそれは何でもない。ただの光の点滅だ。本当の風景を、植物たちのありようを見ることを怠ってはいけない。その名を負う人の尊さもそこから分かってくるはずだ。

