風景画

 きれいな風景を描いた作品はそれだけで価値があるように思える。そこがどこであろうと作品の評価には関係ないはずだ。実際はそうではない。どこの風景で何を描いているのかは作品の鑑賞にかなり影響を与える。

 富嶽百景は相手が富士山であるから、東海道名所図会は名所を描くから価値が上がる。絵画となったから名所となる例もあるが、その前に画家は名所を描こうとしたのだ。地名の価値はその意味で大きい。

 私たちが何かを見るとき、そこに審美的な行動が伴うときには、どうも対象そのもの以外の情報も関与する。風景画も地名があることで価値が上がる。極端なことを言えば、名もなきものを取り上げるのは難しく、名のあるものだけを見ているともいえる。

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