1年前の今日の朝だったはずだ。かなりの高熱が出て激しい頭痛が長く続いた。しばらく様子をみようと考え一日伏せていたが軽減しない。これはもしかしてと考え、不安に襲われた。恐らく数日の話だったが私にはかなり長く辛い時間だった。
市販薬を飲んでも熱が下がらず、連休中のことゆえ病院も開いていないと心配したところ、かかりつけの病院が発熱外来のみ受け付けると言っていただいた。ありがたい限りだった。
行ってみると完全な防護服の医師と看護師が迎えてくださった。診察の結果、コロナウィルスの可能性はかなり低いがレントゲンに気になるものがあるので念のためということで地域の大病院を紹介された。この時のご恩は忘れない。
翌日大病院にいくと、やはり若い看護師と医師が防護服姿で診察をしてくれた。感染リスクに身をさらして私の相手をしていただいたことになる。PCR検査の結果は後日になるということでその日は帰された。
まだこの段階ではコロナウィルスの情報が少なかったために、どのような症状が出るのか知られていなかったと記憶している。味覚障害については周知されていた。それがないことだけを心の救いにしていた。ただ、その後も熱は下がらず、激しい頭痛があった。薬局がしまっていたせいなのかいつものような処方がなかったのも苦しみを長引かせたのかもしれない。
翌々日、保健所から陰性の連絡があり、取りあえずは安心した。思うに職場などで感染予防のために窓を開けて仕事をしていたために、風邪を引いたのだろう。その後もしばらく頭痛はあったが次第に治まっていった。
それから1年を経過して幸いまだコロナウィルスには罹患していない。この日の不安や、医療機関の皆さんのことを思い出すと複雑な気分が浮かぶ。そして同様の思いをしている人がいまも多数出ていることを考えるのだ。