ソメイヨシノはあらかた散ってしまった。これからの状態を葉桜というが、実はこの方が桜の木としては普通なのだ。
葉桜は残念なという意味がその初期には被されている。落花した後のさびしさと重ねられることも多い。しかし、この葉こそ魅力的なものだ。若葉の鮮やかさも、夏の日を遮るたくましさも、病葉も痛ましさも、花以上に鮮やかな紅葉もみなこの葉のもたらすものだ。
かつて庭のある家を借りたとき、玄関前の桜に大量の毛虫が発生して慌てたことがある。桜はいろいろ手をかけていかなければならない樹木だ。それも含めて愛しい。
