いわゆるサブスクリプションに相当するサービスを無印良品が家具の分野で始めるという。商品を買い取るのではなく、定額料金を払って借りる方法である。消費者側からすれば低額で商品を導入できることや、一定期間の終了後に処分する費用を節約することができる。また企業側からすれば顧客とのつながりを保つことができることや、安定収入を得られるというメリットがある。
実は福祉の分野などでは家具の定額レンタルは存在している。介護ベッドなどのレンタルは一般的だ。それが一般家財にも及ぶと生活の体系は変化していく可能性がある。かつては花嫁道具として箪笥や長持ちなどが使われ、生涯に渡って使い続ける財産として家具は考えられていた。それが借りたい時に定額で借りることができれば、モノへの執着はなくならざるを得ない。自分のものであっても所有権はないという感覚は当初は馴染みにくいだろう。
しかし、現代人の多くは住居さえも定借制であり、サブスクはもはや完全に市民権を得ている。モノに執着し、モノとの関係性で築き上げて来た日本の文化が大きな転換点にあることは確かであろう。不景気で購買力が低下している日本人にとってこのビジネススタイルは案外早く定着していくかもしれない。
