都会にある水族館に行ってみた。平日だから人は少なかったが、その分水生動物と向き合ってきた。実に不思議な時を過ごすことができた。
どうして魚はこんなにも種類が多いのか。そしてそれぞれに実に特徴的な形をしているのか。様々な色彩があるのはなぜなのか。そういうことが水槽ごとに気になって仕方がなかった。人生という単位では計り知れないくらいの長い年月をかけて、それぞれの生き物はそれぞれの形になった。それぞれの色彩も、それぞれの大きさもすべて長い歳月をかけて今にたどり着いたのだ。人間ごときがそれを描写しようとしても所詮は部分を描いたに過ぎない。おそらく非常に長い年月の意味づけが難しいほどの繰り返しと、突然起きた環境の変化と、その他予測不可能な何らかの変化を超えていまに至っているのだ。
水族館に行くことは楽しみでもあるが、ある意味不可解な質問を無限に繰り返される空間でもある。質問に答えられないことを、私は認めなくてはならない。知識主義の現代人の根底を覆される。だから水族館は面白い。そして刺激的で危険な場所でもある。