ハンコ

 行政のデジタル化のシンボルとして、ハンコ文化の廃止とデジタル署名促進とがある。稟議書に並ぶ肩書ごとの押印の列は日本経済界の悪癖として捉えられることが多い。

 もっとも押印の文化は古代から継続するものであり、近代社会にのみ責任があるわけではない。印鑑の持つ権威を共有する人々にとっては便利なアイテムであることは確かだ。また、複数の関係者に文書を共有し、納得させるという工夫として機能してきた。言質をとるよりずっと強制力のある同意確認として。

 デジタル化することは私も基本的に賛成だ。文書を回す時間のロスは蓄積すれば相当な長さになる。ただこれは効率だけの話で終わらない。LINEが普及した一因としてスタンプ機能があった。自らの感情を既定の型で表現することが習い性となっている日本人の根元にふれる意識改革が必要なのかもしれない。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください