マスクの価値観

 コロナウイルス対策のためにマスクを着用するのが当たり前になる以前の話です。大手スーパーのイオンは従業員にマスクをさせないことを発表して物議を醸しました。理由は声が通らず、表情が見えないことはサービス業として不適切だというようなことでした。それが状況一変して今はマスクをしない店員は許されない状況にあります。

 マスクがコミュニケーションを阻害することは紛れもない事実です。私たちは表情で人の感情や心理といったものを判別します。マスクで覆い隠されてしまうとその情報量は半減以下となり、発音の不明瞭さも加わって伝わりにくい状態になります。またウイルスの大きさが流通しているマスクの繊維の隙間より小さいため予防効果はほとんどないとも報じられてきました。咳や嚏などによる飛沫を防ぐためのものだと説明されてきました。

 ところがそういうことはいつの日から言われなくなりました。感染予防のためにはマスクが不可欠だ。マスクをつけていない人は接近してほしくない。マスクをつけない人は社会的に問題のある人物だとされるようになっていったのです。日本人は同調性が強い国民性を持っていますので、マスク絶対主義な瞬く間に広がり定着しました。店舗からマスクは消え、高額で転売される事態が発生したのも事実です。

 慢性的に品不足であったマスクですが、いまはかなり安価に手に入るようになってきました。品切れになる店もありますが、根気よく探せば手に入ります。マスクの価値がここ数月でこれほど激変するとは。今後もいろいろな価値観が変わっていくことになるのでしょう。

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