再放送・リモート放送

 緊急事態宣言が長引いていることも影響してテレビ番組も収録ができなくなっているようです。国民的漫画である「サザエさん」も45年ぶりにストック切れによる再放送に踏み切ることが決まりました。大河ドラマもこのままでは本能寺の変にたどり着けないのではと危惧する人までいます。

 一部の番組やネット動画チャンネルなどは相互動画配信のサービスを用いたリモート収録を行っています。スタジオに出演者の数だけ置かれたモニターに個々に映し出されるタレントの自宅と思われる(思わせる)背景の登場人物たちがカメラ目線でものを言いあうという風景は異様なものです。この後語り草になるであろう21世紀初めの出来事の一つなのでしょう。個人的にこの状況でよくなったと思うのは出演者が他人の話をよく聞いて番組を進めている様がうかがわれることです。これまではなにか合いの手を入れるためにあえて話を分断するということもよくありましたので。

 再放送は過去の作品を見直すことができる良いチャンスなのですが、民放の経営的にはよろしくないようで、しかも変わってしまった社会状況や人物の事情を考えるとただそのまま流せばよいのではなく再編集も必要で、手間がかかる割には視聴率、広告収入が期待できないようなのです。

 危機感を扇動し、集団ヒステリー現象を助長するようなワイドショー的な番組以外でメディアの人々も努力していただきたいと考えます。人を安心させる力をもっているのもマスメディアの大きな特徴ですので。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください