東京の最盛期はすでに過ぎているのかもしれませんが、都市としての新陳代謝は継続しています。方丈記の言を引くまでもなく大家は小家となり、再びそこにビルが建ち、道路になります。
私が移り住んだ街もすでに過去の風景が思い出せなくなるほど変貌しています。ここにはかつてあれがあったと覚えているうちはまだしも、そのうち過去のことなど全く浮かばなくなるのでしょう。思えば私が当地に来たころはすでに大きな変化は始まっていたようであり、さらに過去に遡ればまったく違う風景が広がっていたはずです。
私たちは現在にしか生きられないので、現実を受け入れるしかありません。ただ、わずかに残った過去の風景から学ぶことは大きい。その姿に思いを馳せることで、未来のいつかに誰かが至る感慨を予想することはできそうな気がします。
