調布市にある武者小路実篤記念館に行ってきました。住宅街の中に建つ小さな展示室は文学とは何かを考える素晴らしい空間でした。
武者小路実篤といえは白樺派の穏やかな作風の小説家であることと、晩年に描いた野菜などの静物画とそこに付された人間味溢れる一言が有名です。この記念館を訪ねて知ったことは、彼が多くの人に支えられ、また支援していた人も多かったということです。残された書簡には友人からの助言や、編集者との交流など交友の中から作品が生まれていたことが伺えるものが多数ありました。
文学作品が一人の卓越した能力によってのみ生み出されるのではなく、周囲の人たちとの相互作用によって醸成されるものであることが実感できる気がしました。
実篤の生きた時代は価値観が激変していく難しいものであっただけに、かえって周囲の人々の支えが必要であったのかもしれません。
