文章読解力の低下が懸念されています。PISAの試験は子どもに対して行われましたが大人も例外ではありません。低下した読みの力に対応するかのようにネットにあがる記事も劣化しているように感じます。
コラム風の文章には明らかに基本型ともいうべきものがあります。まずセンセーショナルなタイトルは字数制限で途中で切れてもいいように肝心なことは後半に書きます。切れたところに何があるのか関心を惹きます。
文章の前半は具体例です。多くの場合、筆者が目にした事例やデータを点描するもので、よく読めばいくらでも反例が上がりそうな緩い事例紹介です。これがいくつもあがり、文章の大半を占めることもあります。
結末の少し前に識者の意見などが紹介されます。インタビューの体裁で済ませてしまうこともあります。そして「いかがだったでしょうか」などで括り、読者に注意を促すといったものです。
こうした基本形に沿った記事はあまり集中して読まないネット読者を意識して書かれているのでしょう。型はあるので一見文章として成立しているかのように思えます。気になるのは多くの場合、内実が少なく、最後まで読んでも印象に残るものが少ないのです。結局何が言いたいのだろうとか、それならもう少し短く述べられるのではないかといいた感想を持ってしまうのです。
ソーシャルメディアの短い文しか読まないから読解力が落ちるという人がいますが、字数制限がない文章の世界にも読解力不足の影響が出てきているような気がするのです。文章表現力と読解力は表裏のものですので、書き手側の問題も考えていいのではないでしょうか。
