来年度実施の大学共通テストは、英語の外部試験の中止に加えて国数の記述入試もやめることを検討しているという報道があります。記述試験には出題形式や採点方法などに多くの疑問がありましたが、これもやめるとなれば新入試はあまり意味のない改革になってしまいそうです。
ただ少し気になるのはすでに走り出している学習指導要領の改訂にともなって国語分野では文学作品の学習が軽んじられる可能性が高いことがあります。共通テストの国語問題のサンプルでも契約書や図表などを参照しながら解く実用的文章と称するテキストが問題文となっており、国語能力の育成とは程遠い内容になっていました。記述式をやめ、問題が実用性の高いテキストを読む問題になるならば、ますますこの国の国語教育は衰退に向かうような気がしてなりません。
共通テストの国語は基礎的論理思考能力を試す問題と位置付け、問題をもっと簡潔にしてしまうのも手であると私は考えます。国語の問題を全国の受験生に均等に出そうと思うと無理がある。ここでは一定水準の文章が読めて、理解ができるかだけを問えばよいのです。記述試験のような判定が困難なものは二次試験に回すべきでしょう。
記述式をやめるならばせめて国公立大学の二次試験は思い切った改革をするべきです。面接や論述試験の度合いを高めて、学部ごとに自分たちがとりたい生徒の学力を測っていくべきでしょう。大学学部によってどのような記述力が必要なのかは違うはず。それをそれぞれの学部の判断で「主観的」に選べばいいのです。全国一斉テストの役割と個別試験の役割はこのはっきりと分けた上で、2次試験を重視する方法をとっていくべきだと私は考えます。
