情に訴える方法にはよい点も悪い点もありますが、少なくともその効果的な方法だけは知っておく必要があります。理詰めではなかなか事態が進まないことが多いからです。
私たちは何かを伝えたいときに、論理的に構成されたメッセージを送ることを目指します。それができないと独りよがりで理解不能なものになり賛同者が得られない。最低限の論理的な型に乗っ取って話を作ります。
しかし、論理性だけでは人は感動できない。その中に感情を動かす何らかの要素が必要になります。人が何に感動するのかは個人的な差異があり、特定できません。同じものをみても抱く思いは異なるからです。それでもある程度の共通性はあり、多数の人に共有される感覚があることも事実です。
感情に訴えるメッセージを送るためには他人の感覚の傾向を日常的に観察しておく必要があります。他人は何に感動するのかを知ることが大事なのです。その意味で人間観察は大事なのでしょう。メディアで取り上げられている感情のツボをまねするだけでは得られない何かがあることを発見しなければなりません。