リスク分散にはいろいろな意味がある。一時的な利便性や経済的な理由で選択肢を絞ると有事に危機に陥ることはさまざまな事例で確かめられている。便利だから安いからと一つのルートに限定するのは危険な試みということだ。日本という国家がいま、その間違いに直面している。石油を中東に依存し、経済活動の多くを中国に依存し、安全保障をアメリカに依存する。それぞれの部門においてほかの選択肢が貧弱で、いざとなれば八方塞がりになる。
リスクを回避するためには損を見込まなくてはならないもっとも効率的な選択で全てを満たさず、敢えてコストなりリスクなりを伴う手段を捨てずに維持するのだから、結構難しい決断だ。有事に備えて無駄を取る勇気がいることになる。これを実行でき、国民に説得できるリーダーはいるのだろうか。
他人事よように話すのはやめよう。私自身の毎日も効率性とか経済性とかだけを追求して、それらが破綻したときに共倒れにならないように、リスクヘッジをすることを忘れまい。富裕層のようには振る舞えないが、日本列島に住む国民としてもしものことを想定した生き方をしたい。
