信念を述べるだけでは

 首相の信念を国会で述べたことで、大きな国際問題が出来している。中国としてみれば日本政府に付け入る糸口を、首相自身が示してくれたのだから、これを利用するしかないと考えたのだろう。想定内の対応のはずだ。残念ながら、しばらくは日本経済にマイナスの影響が出続けるだろう。

 よく言ったと評価する向きもある。恐らく、国際問題に関して距離をおける立場の人にとっては、国としての立場を明言するリーダーは頼もしいはずだ。支持率の高さもそれを反映している。

 ただ、例えば中国との交易や、交流の前線にいる人たちにとっては非常に迷惑な発言だったはずだ。多くの商機が奪われ、またさまざまな交流の機会が失われることになったのだから。

 特定の国が嫌いで国交を断てとまでいう人もいるが、多くの場合は本当に断絶した後に起きる事態への考察をしていない。思考停止して、国益のことなどを考えないのだ。彼らの無責任さが何を犠牲にするのかは考えてみなくてはならない。

 首相が自分の信念を語ることは大切だ。しかし、それがどのような影響を及ぼすのかという推測はしなくてはならなかった。もっと賢く、場合によっては抜け目なく真の目標を達成していくのがリーダーとしての役割だと考える。今回の件でそれが実感されたはずだ。今後を期待している。

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