明日は少し気温が上がり、その後急激に寒くなるそうだ。こうした天候の変化の有り様は都会生活を始めてからは観念的に把握しているが、地方に暮らしていたときはもっと体感的に分かったものだった。
空気が澄んで山が大きく見えたと思ったら翌日は雷を伴った雪が降る。それが北陸の冬の始まりだった。その頃はそこはかとない覚悟が求められる気がして極度に緊張したものだが、今となっては懐かしい。雪の脅威を感じなくなった時点で東京の人になってしまったのかもしれない。
明日のはね返りはそのときの緊張感とは比べられない穏やかなものになるだろう。ただ、軟弱になった心身に寒波がいかほどしみるのか分からない。恐らく私はこの方面に於いては過去に学ぶことができない愚者なのである。
