検索の意味

ネット社会になって大きく変わったのは大量の情報の中から超高速で検索ができることだ。私が学生の頃は索引という本があればそれに頼り、なければカードを使って自分で索引を作った。それも一冊の本なら何とかできたが、本棚全部の検索となると諦めなくてはならなかった。恐らくいまの世代の人に話したら笑われるだけだろうが、ある言葉の用例を探すために本棚いっぱいの本を何日もかけて探し続けるというのが学生生活の大半を占めた。

何でも検索で分かる?

 いまはデータベースさえあればその労苦はない。さらに最近は人工知能が検索の先のことまで提案してくれる。検索した結果を表やグラフにしたり、そこから読み取れる内容を提案してくれる。学生時代に何ヶ月もかけてやったことが、1分足らずでできてしまう。

 ただ、これで万能になったわけではない。人工知能は尋ねたことに対して極めて上等な返答をするが、何を問題点として何を考察するのかという道筋に対しては示さない。特に常識から外れる思考については元から除外しているようで、突飛な発想ということに関しては役に立たない。

 検索した情報をどのように組み合わせるのか、何を応用して何を除外するのか。そういうことは人間の判断に任されている。

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