米の値段が高いので

米価がなかなか下がらない。これには複雑な要因があるらしい。いわゆる備蓄米が行き渡るのにも時間がかかっている。これはもしものときのサプライチェーンの構築が甘かったのかもしれない。

 さらに輸入米が密かに浸透しつつある。カリフォルニア米はかつての記録的不作のときに輸入されたが売れなかった。当時は国産米への拘りが大きく、味覚的にも格差があったのかもしれない。ところが最近は大手ファストフード店で輸入米の提供を始めている。牛丼など味付けのある料理においては、外米との格差はさほど感じられない。関税を出しても国産米とさほど価格差がないとなれば安定供給できる方を選ぶのは、当然の成り行きだろう。

 米作は日本の主食の生産であり、歴史的にも文化的にも重要である。また、田圃のある風景は日本の原風景の一つであり、これがなくなると里山を含めた自然体系が崩れてしまうとも言われる。食材の一つとしての存在にとどまらないことを再考せねばならない。

 アメリカの圧力でコメの関税は恐らく引き下げられる。米が安くなって嬉しいということはあるかもしれないが、その結果もたらされるもっと深刻な問題を考えよう。

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