クリスマスの主役はサンタクロースであると信じていた。しかし、英語のSanta Clausはどう聞いてもサンタクローズなのである。むかしアメリカの映画に「Santa Clause(サンタクローズ)」という作品があった。clauseというのは条項という意味らしい。映画はサンタクロースの役割を果たすという契約を結んでしまった男が引き起こす心温まるファンタジーであった。似た発音にかけた洒落のようなものだと思っていた。ところが、実は発音はまったく同じだと知って驚いたのである。サンタクローズさんだとは知らなかった。

英語の発音が日本にカタカナ語として取り込まれたとき、発音が変形してしまうのはいろいろある。Cupがコップとなったり、カップとなったりするのがその例だと思って知らべると、コップはオランダ語由来、カップは英語由来であるという。また日本語では取っ手のないものはコップであるが、取っ手がつくとカップになるのだという。日本語で言うコップに当たるのはたいていがglassと英語では言うのだとか。ならば取っ手のない紙の容器はpaper glassかといえば、paper cupと言わねばならないらしい。取っ手の有無より素材の方が優先する。
クリスマス(ちなみにX’masは間違いで、Xmasだという)の楽しみは子供にとってはサンタクローズが持ってくるプレゼントだが、大人にとっては実は英語ではグラスというのが正しいコップで飲むビールだったりする。もっともこれは別にクリスマスには限らないけれども。