韓国で一時戒厳令が出たというニュースに驚愕した。ユンソンニョル大統領の支持率が低下していることは報じられていたが、国会と捻じれ現象にある政権が運用困難になっていることの証だろう。
韓国の政権交代は非常に激しく過酷だ。大統領はその末期に悲劇的結末を迎える。先のムン大統領は今のところ無事のようだが、歴代大統領の人生を調べると信じられないほど残酷である。白黒をはっきりとつける国民性も影響しているのかもしれない。今回の記事の戒厳令も切羽詰まった末の決断だろう。
日本と決定的に違うのは戦乱がすぐ隣にあることだろう。世界的にみても対立する国家が有数の経済力や未知数の軍事力を有し、かつ対立を続けているところは少ない。日本は戦争による解決という選択肢を捨てた国だが、隣国の情勢次第では方針を変えなくてはならなくなる。まずは大韓民国が安定し、他国から付け込まれることのないようにしていただきたい。
古代からの戦術に離間の計なるものがある。仲間同士の争いを誘発し、国力を落とし、その間に他国から攻め落とすというものだ。基本的な戦略であるのにも関わらず、これに見事に引っかかってしまう。朝鮮半島の歴史には何度も繰り返されたはずだ。もちろん日本の歴史にも枚挙にいとまがない。
国のために政策を争うのは大いに結構だが、その度が過ぎて国益を損じることがないように祈るばかりだ。